この衝動のまま【「SK∞ The Stage 第1部 The First Part~熱い夜のはじまり~」 感想】

 

元気になった!
冬は寒いので大の苦手なんですけど、SK∞を見た後は心がぽかぽかして、ハッピーな気持ちで帰りの電車に揺られていました。

そして、ただ楽しい~!と思うだけじゃなくて、舞台を見る中で考えが変わったり、新たに感じたりしたことが沢山ありました。第2部を見たらまた変わるかもしれないから、今の時点で私から見えたSK∞の世界を残しておこうと思います。


◎大事だよな、そういうの。

考えが変わったというのは、暦とランガの関係性について。

公演前にアニメを見た時、SK∞は暦が天才のランガを乗り越えていく話だと思っていた。
けれど、舞台を見るうちに暦とランガが繋がっていく話だと思うようになった。

暦はスケートが大好きだけれど、シャドウに負けて怪我をするし、オーリーも人より1ヶ月早く出来たけれどそれも小枝を飛んだだけ。天才とは言い難い。
対してランガはほぼ初めてのスケートでシャドウに勝ち、伝説の愛抱夢とだって互角に渡り合う。オーリーは2週間で飛んだ。まさしく天才だ。

だからSK∞は暦とランガが対比になっていて、突然現れた天才に劣等感を感じながらも、暦が大好きなスケートにもう一度向き合う物語なんだと思っていた。

しかし、ランガに「なんでミヤとのビーフを受けたんだよ」と聞くと、「楽しそうだったから」と答える。それを聞いた暦はその言葉を噛み締めるように笑う。

序盤のシーンで暦はスケートに興味を示した同級生に目を輝かせながらスケートの魅力を語る。そして適当に断られる。きっとそんなことが日常的にあったのだろう。でも、今隣にいるランガは暦が感じているのと同じスケートの楽しさを感じている。暦に止められても、楽しそうなビーフを選んだ。怪我をしてもスケートに乗り続ける暦と同じく。

回を重ねる事に、対だと思っていた暦とランガの似ている部分が見えるようになった。

ジョーにトリックを教えてもらう暦は、ランガに「置いていかれたくないんだ」と言う。負けたくない、ではなく。ランガをどう克服するかではなく、ランガとどう進んでいくかが暦にとって大事なのだと思う。
それに対して、ジョーが「大事だよな、そういうの」と返す。
全くタイプは違っていても、深い部分で繋がれる仲間がいる。暦とランガの関係にジョーとチェリーの関係が重なって見えて、好きなシーンだった。

これはきっと舞台上の暦の些細なリアクションや仕草を見たからこそ感じられたのだと思う。原作を大切にしつつ、舞台にしかない暦の姿を作り出してくれたからこそ出会えた感情。今回は改めて演劇という表現方法の面白さを感じられたように思う。


◎鼓動を刺す

毎回ハッピーな気持ちで帰宅していたことは確かだけれど、ハッピーなシーンばかりじゃなかったところも好きだった。

暦がオーリーについて「オーリーができてスケートはただの板から飛ぶ板に変わった」「スケートはどこへでも行ける」「スケートは無限大」とランガに語る。

その後、オーリーを習得したランガは、愛抱夢の伝説のトリック・ラブハックを愛抱夢を飛び越えることで破る。
飛ぶ板で、愛抱夢を越え、誰も破れなかったトリックを破った。

暦が語ったスケートの魅力を体現することでランガは伝説を越えた。それがどれほど暦の心に爪痕を残しただろうか。想像するだけで震えた。

ただ自分よりランガが優れているからというだけではなく、どんな風に優れているからというところまで掘り下げて暦の気持ちを描いているところが丁寧で好きだと思った。


それから、暦が自分の過去を話して、ランガにも怪我をしてスケートをやめてほしくないと伝えて、ランガが「大丈夫、だって俺は怪我してもやめないから」と言うシーン。そのすぐ後、愛之介が忠を連れて出てきて「よくやった。飼い主のいいつけ通りだ」と言う。

どちらもスケートを通じて生まれた関係なのに、対等な立場でスケートを続けている暦とランガに対して、身分の差に加えてスケートを思うように続けられない愛之介の忠。
しかも、愛之介と忠は責任のある大人だからそう簡単にはいかない。愛之介と忠、救われてくれ。


◎この衝動のまま

他にも大好きなシーンがいっぱいあった。
暦がランガにトリックの動画を見せているところ、
愛抱夢戦前の特訓中に転んだ暦がミヤに引きずられるところ、
シャドウの車に乗り込んだ友達トリオ(シャドウがミヤを撫で回すのを真似する暦とあざーす!と言って全員でお辞儀をするところが可愛い)。

それから、オープニングが本当に本当に大好きだった。
アニメを見た時からオープニングの疾走感が好きだと思っていたので、そのスピード感をなくさずに生身の人間で表現してくれたのが嬉しかった。それからやっぱりつばさくんの身体の使い方が最高に好き。上手の上の段で
「答え合わせしよう 運命をかけて」のところを踊っている時が特に好きだった。カウントの取り方が過不足なくてめちゃくちゃ気持ちいい。Blu-rayが出たら毎回あのフレーズのところを5億回見返す。

あと、これはあくまで私の感性での話だけれど、その日によって受ける暦の印象が違っていて。今日は優しさの成分が多いな~とか、やんちゃの成分が濃いな~とか思いながら見ていた。それでいて、どれもに暦らしさがあって、私の中の暦の厚みを増してくれた。トータルで見ると暦はピカピカしていて明るくて元気だけれど、暦だって日々色んな感情を持って生きてるんだと実感した。

毎回楽しい~!って気持ちで見ていたけれど、ただ楽しいだけじゃなくて心が動く部分もあって、私にとってちょうどいい重さの作品だったなと思う。
師走の忙しなく過ぎていく季節を駆け抜けるエネルギーを貰いながら、慌ただしい日常に一区切りを付けられる時間だった。
会見の時につばさくんが「年末のこの時期ですがSK∞と一緒に過ごしていただければなと思います」と言っていたけれど、年末の作品がSK∞でよかった。

そしてこれが年明けも続くのが嬉しい(もう年明けちゃったけれど)。私は年や年度が変わることにソワソワするタイプだけれど、2022年にも変わらず2021年に好きになった暦くんがいると思えることは安心であり楽しみの1つになっている。
(年が明けたらバースデーイベントもあるしリベステもあるし今年は楽しみの方が多いね!やったー!)

昨年は推しのオタク1年生だったのですが、たった1年しか経っていないなんて思えないくらい思い出が盛り沢山で、忘れられない年になりました。最高に楽しかった!ありがとうつばさくん!!!今年もよろしくお願いします!!!